憲法改正における指針

憲法

進まない憲法改正

大日本帝国憲法から日本国憲法に改正されてもはや75年経ちますが、一向に憲法改正の動きはありません。

憲法改正に一番近づいたのは第二次安倍政権ですが、それでも憲法改正の発議すらできず、日本国憲法改正の道のりは遠のくばかりです。

それでもいつか日本国憲法は改正しなければ、日本は滅んでしまうという危機感を持っています。

憲法改正における指針として参考にするべきモノ 

では、憲法改正をするにあたって、何を私たちは指針にしたほうがいいのでしょう?

それは「王政復古の大号令」とそれが発布された後、新政府の指針として打ち出された「五箇条の御誓文」の精神に基づいて改憲することが望ましいと私は考えています。

王政復古の大号令

明治維新時に発布された「王政復古の大号令」とはどういったものであるかというと

「日本は天皇を中心とする政治体制に戻る」という宣言のことです。

復古という言葉には、もともと日本は天皇が治めていた国だから、という意味が込められ、「様々な物事を神武創業の昔に戻す」という理念が掲げられました。神武天皇は日本で最初の天皇です。要は「これまでの政治をいったんすべてリセットして初心に帰ってやり直そう!」という意志を内外に表明したものです。

これは律令以外の全ての法令・法度の無効宣言という強力な権力の行使であり、「憲法無効宣言」とも言えるでしょう

神武創業(日本国の始まり)の精神に基づいて国づくりをやっていくという宣言をした上で、発布されたのが「五箇条の御誓文」です。

王政復古の大号令

五箇条の御誓文

では五箇条の御誓文とはどのようなものでしょうか?

五箇条の御誓文

明治新政府は大政奉還後の発足当初から「公議」を標榜し、その具体的方策としての国是を模索していました。明治元年(1868年)1月、福井藩出身の参与・由利公正が、「議事之体大意」五箇条を起案し、次いで土佐藩出身の制度取調参与福岡孝弟が修正し、そのまま放置されていましたが、それを同年3月に入って長州藩出身の参与木戸孝允が加筆し、同じく参与の東久世通禧を通じて議定兼副総裁の岩倉具視に提出したものです。

明治維新の国是(理念)として標榜したのが五箇条の御誓文です。

では中身を見ていきましょう

五箇条の御誓文(原文)

一、廣ク會議ヲ興シ、萬機公論ニ決スベシ

一、上下心ヲ一ニシテ、盛ニ經綸ヲ行フベシ

一、官武一途、庶民ニ至ル迠、各其志ヲ遂ゲ、

人心ヲシテ倦マザラシメン事ヲ要ス

一、舊來ノ陋習ヲ破リ、天地ノ公道ニ基クベシ

一、智識ヲ世界ニ求メ、大ニ皇基ヲ振起スベシ

我國未曾有ノ變革ヲ爲ントシ、朕躬ヲ以テ衆ニ先ンシ、天地神明ニ誓ヒ、大ニ斯國是ヲ定メ、萬民保全ノ道ヲ立ントス。衆亦此旨趣ニ基キ協心努力セヨ。

口語訳

一、広く会議を開いて、すべての政治は人々の意見によって行われるようにしましょう。

一、上の者も下の者も心を1つに、国を治めていきましょう。

一、身分にかかわらずに、誰もが志を全うし、その意思を達成できるようにしましょう。

一、今までの悪しき習慣はやめて、国際社会に合った行動をしましょう。

一、新しい知識を世界から学び、天皇が国を収める基礎を築いていきましょう。

これより、わが国は未だかつてない大変革を行おうとするにあたり、私はみずから天地の神々や祖先に誓い、重大な決意のもとに国政に関するこの基本方針を定め、国民の生活を安定させる大道を確立しようとしているところです。皆さんもこの趣旨に基づいて心を合わせて努力して下さい。

つまり明治天皇が天地神明に誓って国造りをしていこうという決意表明であり、これが明治新政府の指針となりました。

その大改革の中の一つが大日本帝国憲法として実を結んだのです。

五箇条の御誓文はまだ有効?

五箇条の御誓文は現代でも有効か?

大日本帝国憲法とは違い、五箇条の御誓文はまだ破棄されていません。つまり、日本国憲法がある日突然消えてしまった場合、十七条憲法と五箇条の御誓文が「日本の憲法典」になるのです。

日本国憲法は五箇条の御誓文の精神によって作られた

五箇条の御誓文とは近世・近代のものであって、今の日本国憲法の参考にならないと思うかもしれません。しかしながらその精神は実は現日本国憲法に受け継がれているのです。現日本国憲法ではそれらを無視した「得体の知れないもの」になってしまいましたが…

日本が大東亜戦争で敗戦し、1946年1月1日官報にて昭和天皇の証書が掲載されました。いわゆる「人間宣言」と呼ばれるものです。

人間宣言は天皇は神ではないという宣言であるといった、意味でとらえられがちですが、 これは五箇条の御誓文の精神に立ち戻って、またもう一度国づくりをやっていこうというのが本来伝えられるべきものでした。

それが、「天皇の神性の否定」だけに目がいってしまい、本筋から外れた歴史的出来事となってしまったのです。

つまり日本国憲法は、少なくとも建前では、五箇条の御誓文の精神に基づいて作られたものなのです。

しかしながら日本国憲法というのは、 GHQ が厳しい介入をした結果「全く違う得体の知れないモノ」になってしまったというのは事実です。だからこそ日本国憲法を改正するときには王政復古の大号令・五箇条の御誓文こそが新憲法作成の手がかりになるのです。

日本は神話を含めて2680年以上・どんなに短く見積もっても1400年間の歴史が存在します。

その中心には必ず皇室・天皇陛下がおられ、慣習・慣例・先例・判例・国のかたち國體が存在します。

神武天皇から続く「日本憲法(日本国憲法ではありません)」を大切にしつつ、大胆な改革を行うと宣言したのが「王政復古の大号令」「五箇条の御誓文」です。これを抜きにして日本国憲法は語れないと思います。

改憲するときは「日本に相応しい憲法典」「国家アイデンティティを内外に指し示すこと」「日本に馴染む憲法典」が必須です。それを考える手がかりとして「王政復古の大号令」「五箇条の御誓文」を参考とし・憲法を考える上での指針・軸として考えてもらえたらと思います。

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